大切なものは、そんなに多くなかった

事故をきっかけに、私は一度、死にかけた。


その出来事を、今でもうまく言葉にすることはできないけれど、

あの日を境に、自分はどこかで生まれ変わったのだと思っている。


人は、生き物だ。

当たり前だけれど、同じ人生は二度とない。

そして、どこにいても安全が約束されているわけでもない。


そう考えると、不思議と肩の力が抜けた。


あれもこれも大事にしようとしていたけれど、

本当に大切なものは、そんなに多くなくていいのだと気づく。


一番大切なのは、家族。

それから、ちゃんと向き合いたい仕事。

そして、自分が「好きだ」と思えること。


事故の前よりも、迷う時間はずいぶん減った。


何気ない日々の中で、

小さな達成感をひとつずつ拾い上げるように生きている。


そんな今の私にとって、それは「片付け」だ。


近藤麻理恵さんと、

彼女のプロデューサーであり、夫でもある川原卓巳さんの本を、

何度も読み返している。


片付けは、ただ空間を整えることではないらしい。


手を動かしているうちに、

自分が何を大切にしたいのかが、少しずつ見えてくる。


ただ、まだ「やり切った」とは言えない。


いわゆる“片付けの祭り”を経験したくて、

準備して、準備して、まだ準備している。


本当に難しい。


だからこそ、

やり切った人の話を聞いてみたいな、と

ひとりで想像したりもする。


そして本気で「祭りのあと」を体感して、

新しい自分に会ってみたい。


その先にある日々を、少し楽しみにしている。